子供の虫歯は哺乳瓶虫歯など特徴的なものもありますが、その多くに共通することは進行が非常に早いということです。数ヶ月で神経まで進行することもあり、子供の歯のチェックは3ヶ月毎が理想的といわれています。
ひまわり歯科では程度により3~6ヶ月毎のチェックを推奨しています。
歯科では大きく二つの感染症を診ています。ご存知のとおり虫歯と歯周病です。
えっご存知じゃなっかった?では豆知識をどうぞ。
細かい話は抜きですのでご安心を。
まずは感染症の話からいきましょうか。こういった話はまずはイメージが大事です。感染症と言われれば … 。
えーっと。 そっ、そうです。それです。そうそう、あれあれ。
感染症と言われれば何かたいそうで怖いイメージがありますよね。
映画でよくある場面、防護服を着た主人公が隔離された部屋で『ダイジョウブ。カナラズタスケテヤル … 。』(英語風)と息も絶え絶えの恋人に話すシーン。
怖いですね~。
でも映画ではぎりぎりのぎりでワクチンが手に入りハッピーエンド!
そうなんです。ワクチンができればかなり抑制することができるんです。
しかし全ての感染症にワクチンがあるわけではありません。
虫歯は虫歯菌が引き起こしますが、残念ながらワクチンはまだ開発されていません。治療は虫歯ができたら削って詰めるといった対症療法が主体となります。予防はフッ素や3DSといった化学療法で良い効果があります。しかしいずれも原因除去療法には至っていません。
ところで虫歯菌はどこから来るのでしょう。
虫歯菌は歯を棲家にして生きていくことができます。
つまり歯のない赤ちゃんから検出されません。
ではどこから来るのでしょう。それは … 。
今これを読んでいるお父さん、お母さん、おじいちゃん、それからおばあちゃん、実は『あなた』なんです。
ガーン … 。
でも心配はいりません。あなたの虫歯菌もあなたのお父さん、お母さん、おじいちゃん、それとおばあちゃんから来たんですから … 。
責任転嫁はこれでいいとして現実に戻りましょう。今あなたのお子様に虫歯があるとして、言い逃れはできたとしても放って置く訳にはいきません。放置は確実にあなたの責任になってしまいますので。
では少し望みのあるお話をしましょう。
もし見つかった虫歯が乳歯なら、たとえどうしようもなく進行した虫歯であっても、もう一度健康な歯を取り戻すチャンスがあります。
そうです。皆さんもご存知の『生えかわり』です。
我々が目指しているのはきれいな永久歯列です。きれいな乳歯列じゃないときれいな永久歯列にならないということは決してありません。
こんなチャンスを活用しない手はありません。
抜けた歯をよく観察する。
虫歯の部分には虫歯菌がわんさかいます。見た目は(汚い)、触ると(軟らかい)、臭いは(たぶん臭い)、味は(自分のでも味見はちょっと … )、と言った具合に観察しましょう。
家族で一緒に見るのも効果があります。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、弟に妹、そしてたま。
たまは余計ですが、家族みんなで見るとみんなの意識が変わります。
たまの意識は変わりません。念のため。
なぜみんなの意識を変えたいのか。一番変わって欲しいのが大人だからです。
子供の健康の多くは大人にかかっています。その大人がいい手本を見せることができないと子供は良くなろうとはしません。良くなることの価値がわからないからです。
『歯を磨かないとこんなお口になっちゃうよ。』ではなく
『歯を磨いたらこんな(にいい)お口になっちゃったよ。』と言って欲しいのです。
なんだか大人の説法になりましたのでこのへんで … 。
まずはお子様のお口のなかをよく観察しましょう。
歯が何本あってどのようにはえているのか。
はぐきの形や色などもお子さんのお口ですから興味をもって観察してください。日ごろから観察していると変化があっても早めに気が付くでしょう。
赤ちゃんの場合は泣いてるときがチャンスです。
赤ちゃんには悪いけど少し覗かせてもらいましょう。
決してこじ開けて見るようなことはおやめください。
歯がはえたらお口のケアの始まりです。必死になる必要はありません。
まずは遊びからと我々は考えています。
具体的には喉まで届かないタイプの歯ブラシを与えるだけです。それだけ。
子供は勝手に口に入れてくれますので、慣れてくれば一緒に持って歯や歯茎をこちょこちょと刺激を与えてください。これを嫌がらなければ歯みがきはすぐできるようになるでしょう。
くれぐれも無理強いはしないで下さい。あくまでも遊びです。
ある程度大きくなったお子さんの場合、ホームジェル等のペーストをつけてあげるとやり易くなるでしょう。
我々が子供(大人でも)とコミュニケーションをとる場合は、歯磨きが一番のアイテムとなります。特に初めて歯科受診するお子さんや歯科に対して不信のかたまりになってるお子さんに有効です。
いわばお風呂で背中を流してあげてるようなものです。わかります?
おもちゃで心を掴むこともありますが、歯磨きはスキンシップになってるのではないかとも思います。歯磨きで築いた信頼感はおもちゃで獲たものよりはるかに強固です。
家庭での歯磨きは、爪切りや耳掃除のように安心感を与えることができれば言うことなしです。
何度も言いますが無理強いや、怒ってはやらないでください。
嫌がるときはそれなりの理由があると思います。その辺は見極めてください。
ご相談してくださっても結構です。
最初はへたくそでもかまいませんので、母(父)に包まれてるような安心感を与えるようにしてください。
母(父)も楽しんでくださいね。
さぼることも大事かもしれません。長く続けるためには必要です。たまにはさぼっちゃって下さい。でも、全てやらないのではなく少しだけはするようにしましょう。フロスだけにするとか。どうしても無理なときはせめてうがいだけするとか … 。
その辺は適当に。
困ったときは相談してください。あせらずやっていきましょう。
フッ素を塗っても効いてるのか効いていないのかさっぱりわかりませんよね。
しかし統計をとってみると明らかに虫歯の数が減っているのがわかります。
今あなたやお子様の虫歯がその程度で済んでいるのはフッ素のおかげだともいえます。
え~フッ素なんて使ってないわよ!
と思う方もいるかもしれませんね。でも今どき使ってない方を探す方が難しいほどほとんどの歯磨きペーストにフッ素が入っています。
役割として歯の表面を強くすること、カルシウムを取り込むこと、虫歯菌を抑えることがあげられます。
使用方法は家庭での使用と歯科医院での使用に分けられます。
家庭では歯磨きペースト、フッ素洗口、フッ素ジェル、フッ素スプレー等があります。フッ素ジェルは一日一回でよいので使いやすいでしょう。効果はフッ素洗口が高いようです。
歯科医院では高濃度フッ素塗布、フッ素イオン導入があります。いずれも年2~4回程度行います。
いずれも年齢を問わず効果があると考えられています。大人もやって下さい。お年寄りのやっかいな根っ子の虫歯予防にもとても有効だと言われています。また家庭での使用と歯科医院での使用を併用するのが最も効果が高いと言えます。
忘れていけないのが副作用ですが、影響の出る量と比べると使用量は微量ですので使用方法を守れば安全に使用できます。
習慣として取り入れていきましょう。
小さいお子様が何歳から健診が必要かというと意見が分かれることでしょう。
行政の方では一歳半から健診が始まるのでそれを機会に受診してみるのも良いかもしれません。
ひまわり歯科では医院に慣れることを最も重視しています。
怖がっているお子様には無理をせず時間をかけて慣れてもらうようにしています。
大人にも多い歯科恐怖症だけにはならないようにと配慮しています。
小さいお子様の健診では見た感じ、触った感じでの判断が主となります。
一人でじっとできるようになったらレントゲン診査も行います。
大きくなると大人に準じた診査となっていきます。
子供の虫歯は進行が早いため早期発見が重要となります。しかし大人と比べ見つかりにくいのが現実です。虫歯が小さいうちに対処するには定期的な健診が重要になります。
また虫歯だけではなく歯ぐきの状態や清掃状態、咬合療法の見地から影響のある生活習慣が出てないかチェックします。
虫歯の治療は進行度により痛みを伴うようになり、時間期間もかかるようになります。これは歯科恐怖症を生む一因にもなります。
さらに進行して化膿性の疾患になると永久歯にも影響がでます。
また多数歯虫歯になると咬み合わせも不安定になり身体にも様々な影響が出てくると考えられてます。
お食事も難しくなります。噛まずに丸呑みしているお子さんも意外と多いんです。噛み切れないのでずーっと噛んでるお子さんもいます。
定期的な健診は保護者の方の負担にもなりますが、かわいいお子様のためにも継続して受診いただくようお勧めいたします。
また定期的に検診を行うことで虫歯などの問題の早期発見につながります。