あなたは今つわりはおさまっているでしょうか。もしおさまっているならすぐに歯科医院を受診しお口の状態を調べてもらいましょう。
と、書けば一割強の方は妊娠中に歯科医院を受診できなくなります。一割強の方は妊娠全期間つわりがあるようです。
妊娠期間中受診の最も弊害となるのがつわりでしょう。
医療サイドの気持ちは、ただでさえ気を使う妊娠中につわりがあってはとてもやりにくい、といったところでしょうか。
我々もその気持ちはよーくわかります。しかしそれで診療をしないとなる一割強の人を見捨てることになりますね。これはなんとかしなければ。
妊娠すると歯磨きが嫌になったり、めんどくさくなったりします。また、唾液の性質(酸性化)が変わったり、ホルモンの変化、食事やおやつの増加、甘いものが好きになったり、偏食、情緒不安定になったりします。
あと歯医者さんには絶対行きたくなくなったりします。
これらのことはつわりと大きく関わっていて、お口の環境を悪くする原因となります。
よく妊娠をすると虫歯が増えるとか、歯がぼろぼろになるとかいわれます。
統計的には虫歯の本数が増えることは無いようですが、元々ある虫歯は悪化します。それがぼろぼろになるといわれる所以でしょう。
また虫歯だけではなく歯周病も悪化する傾向にあります。健康なはぐきの方でもホルモンの関係で歯肉炎が発症します。これは妊娠性歯肉炎といって多くの場合出産後回復します。気をつけないといけないのは妊娠前に歯周病の方です。多くの方が悪化します。出産後多少はぐきの腫れはましになりますが、はぐきが下がったように感じている方は多いことでしょう。
ではこれらをどう予防しましょうか。
まだ妊娠してない方はすぐに治療と予防をはじめましょう。
歯医者さんに行って歯磨きの技術を磨きましょう。妊娠前の準備はとても有効です。歯医者もやりやすいです。
残念ながら妊娠前に準備できなかった方はできるだけはやく歯医者さんに行って指導をうけましょう。妊娠中は制約も多く、通常の治療方針を立てることができないことも多くなります。そのような場合はできるだけ悪くならないよう、またできるだけ症状がでないよう処置し、出産後本格治療に入っていきます。
つわりへの対応として磨きやすい歯磨き指導や口腔環境を悪くしない生活指導、医院での口腔清掃、体調に合わせた治療などを行います。
またレントゲンの影響も少なく、お薬も安全なものが多くなり、以前より治療幅が広がり安心して受診いただけます。